物の見方は、子どもの頃につくられる。
そして、知らず知らずのうちにそれが“癖”となって、大人になっても私たちの選択や価値観に影響している。
「勝ったほうがすごい」「負けるのはくやしい」
そんな思いもきっと、小さな遊びや日常の中から自然と身についてきたんだろう。
NHK Eテレ「みいつけた!」で放送されていた“ダンボールつみつみ”というゲーム。
子どもたちがチームに分かれて、ダンボールを積み上げて高さを競う。
にぎやかで、楽しそうで、子どもたちも真剣な表情だった。
だけど私は、見ながらちょっとだけ、胸がチクッとした。
「どっちのチームが高く積めたか」で勝敗が決まる。
もちろん、それが楽しい子もいる。悔しさも、成長の一部かもしれない。
でも、「比べることでしか味わえない面白さ」って、本当に必要なんだろうか?
テレビ的に盛り上がるから?
勝ち負けがないとやる気が出ないから?
ふと、そんな問いが浮かんできた。
高さを競わなくたって、
「このくらいまで積めるかな?」「こんな形おもしろくない?」って、
協力したり、アイディアを出し合ったりしながら楽しめる方法もある気がする。
“競争”の中にある学びもあれば、
“創造”や“協力”の中にしか生まれない学びも、きっとある。
もちろん、番組を否定したいわけじゃない。
ただ、「比べない楽しさ」も、もっと見せてもらえたら嬉しいなって、ひそかに願っている。。。
社会は、気づけば比較であふれている。
私自身も、他人と比べて一喜一憂してしまうことがある。
1番は偉い、ビリは残念――そう刷り込まれながら育ってきたから。
比較には、成長のきっかけや、自分を見つめるヒントがたくさん詰まっていると思う。
でも、それが「上か下か」「勝ちか負けか」だけになってしまうと、
いつの間にか、自分を否定したり、他人を見下したりする癖に繋がるように思う。
子どもたちには、
自分の価値を「誰かより上か下か」で測るのではなく、
“自分自身の中に見出していける力”を持ってほしい。
そのためにも、比べなくても夢中になれる遊びが、もっともっとあったらいいな。
そんなふうに、静かに思った。
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